WHO'S TERRACE プロデュース VOL.1 『LOST PIANO CHILDREN』|脚本:真柴 あずき、演出:石川 寛美

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イントロダクション|INTRODUCTION

「ピアノを巡る物語を一緒に作ってほしい」。石川寛美さんのこの一言から、今回の舞台は始まりました。ワテラスコモンホールには、石川さんの主宰するユニット、BOO WHO WOOLの公演で訪れたことがあり、その時に私が感じた印象は、「柔らかい光に包まれた空間」でした。冒頭の一言を聞いた瞬間、その光を受けて、そっと佇むピアノが見えた気がしました。誰かを待っているのか、たった今、見送ったばかりなのか……イメージの中のピアノは、まるで、私がこれから書く物語を知っているかのようでした。
四歳か五歳の頃、いとこが習っているのが羨ましくて、母に泣いて頼んでピアノのレッスンを受けたことがあります。でも、全く上達しないまま、中学に上がる前にやめてしまいました。我が家にはオルガンしかなかったので、ピアノを持っている同級生の家に通い、その子と一緒に習うという形式。上達しなかったのは、もちろん私の練習不足が最大の原因です。でも、同級生のピアノは、彼女が弾く時に一番いい音を出していた。それが悔しかったことを、今頃になって思い出しました。ピアノは正直です。彼女がピアノをちゃんと好きで、しっかり向き合っていたから、ピアノもそれに答えていたのです。
光の中で待っているピアノのために、私もしっかりと、この舞台を作っていくつもりです。

真柴あずき

「どうにもこうにも上手く行かないとき、目の前には高い壁があって、右を見ても左を見ても壁で、後戻りするわけにも行かなくて…。ああもうダメだって思ったときに『上を見てみたら?上には壁はないよ』って教えてくれるのが、家族だったり友達だったりするんだよね」って、私に言ってくれた旧友がいます。つらいときは、この言葉を思い出すと頑張れました。壁の向こうに広がっている世界に行けることを信じて。演劇の世界に入ってからは、そんなときに、壁を越えていく勇気や力をくれるのが、本や絵画や映画や音楽やダンスや演劇なんじゃないかと、思うようになりました。

宮下奈都さんの『羊と鋼の森』を読んだとき、この小説のように音楽と人間への愛に溢れた舞台を作りたいと思いました。ワテラスコモンホールの企画担当の方から「何か大人の演劇をやっていただけませんか」と言われたとき、今がそのときだと思いました。
『一台のピアノをめぐる物語』 脚本は、みずみずしく繊細な感性で物語を紡ぐことに定評のあるキャラメルボックスの真柴あずき。出演はキャラメルボックスのベテラン坂口理恵。期待の新人山﨑雄也と石森美咲。音楽的センスの良さが光るテアトル・エコーの澤山佳小里。『スロウハイツの神様』でのダンディでコミカルな演技も記憶に新しい*pnish*の森山栄治。音楽と人間への愛に溢れた物語を、ここワテラスコモンホールからお届けします。この作品が少しでも、あなたの勇気や力になることを願って…。

石川寛美

キャスト|CAST